大阪万博

大阪万博と言っても大阪万博そのものではなくて、大阪万博誘致の為に行われた学生団体の活動について、今日は書きます。その名も

「2025大阪万博誘致 若者100の提言書」

 

これを始めたのはinochi学生フォーラムって言う大阪大学京都大学の学生、有志の高校生から成る団体で、いわゆる超意識高い系の学生団体。これは誇張ではない。私は数年前これに高校生として関わった。(私個人の意識は別に高くなかったんだけど)

 

先日、そういう縁あってこの団体の幹部の方(幹部っていうと大仰に聞こえるけど、見た目は普通の大学生)と話す機会があって、そのときにこの企画について色々と聞いてきた。どういう企画かと言うと簡単に言えば、「もし大阪で万博をするなら、こういうことしたらどうですか!?学生の視点でアイデアを100個まとめてみました!」というもの。

その100個のアイデアを私も読んだ。

100個もあるから中には「何じゃこりゃ?」っていうアイデアもあったけど、面白いアイデアもたくさんあった。その面白い方をいくつかピックアップしてみる。

 

1.EXPO HUMAN HEALTHCARE BANK
来場者全てに最先端のIoTデバイスウェアラブル端末を手渡し、膨大なバイタルデータを蓄積する試み。
……ところで、こういう意識高い系の場所って往々にしてカタカナばっかりな気がする。ここでの意識高い系っていうのはつまり、スティーブジョブズがいそうな系っていうこと。
(これ通じるか!?)

2.献セル
献血ならぬ献セル。来場者から細胞を任意提供してもらい、それをiPS細胞にしてストック。日本の医療インフラに役立てる。

3.最‐SAI‐
オリンピック選手の運動能力、例えば人類最強の100m走、人類最高難度の体操競技をパワードスーツを着ることで体験する。

4.夢洲牧場
万博内の牧場で鶏、豚、牛などを飼育。学生を中心とする青年が屠殺を体験。屠殺された動物は万博食堂で振舞われる。

5.ぬくもりホッとライン
ホログラムで遠く離れた人の姿、声、匂い、温もりをまるでそこにいるかのように感じる。

6.Steps For Energy
来場者の足踏みで発電。これは現在ラスベガスで導入が計画されている技術で、理論上約2兆w発電できるらしい。

7.ALL FLAT
会場内から階段を一切なくし、全てフラット構造にする。

8.Transvision
障害を抱えた人、寝たきりの人、人混みが怖くて近付けない人にHMDを付けて万博を楽しんでもらう。またそういう人に合わせた参加方法を作り出していく。


以上、8つのめぼしい企画でした。
この企画、実は結構ウケていて梅田のグランフロントで松井知事がこの企画書を受け取るセレモニーが開かれたりしている。大阪府が掲げる万博のテーマは「人類の健康・長寿への挑戦」なのだが、このテーマはいまいち若者や新興国の人にワクワクする感じがない!と万博検討会の委員から批判されていて、若者の意見には需要があったらしい。

一方、inochi学生フォーラムの方は、例えば大阪大学には2016年にオートファジーでノーベル賞を取ったような世界一の免疫研究機関があり、京都大学にはにはiPS研究所があり…というように関西には優れた研究機関がたくさんあるにも関わらずそれらのつながりが弱い、認知度が低いという現状を憂いて、関西という研究ブランドを世界に発信すべく大阪万博の誘致を応援し始めたということ。ニーズとニーズが上手く噛み合っている。

 

参考

www.inochi-gakusei.com/forum/teigen.pdf