エヴァンゲリオン旧劇場版"まごころを、君に"書き起こし

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tomaonarossi.hatenablog.com

 

 

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ゲ「アダムはすでに私と共にある。ユイと再び会うにはこれしかない。アダムとリリス、禁じられた融合だけだ。時間がない、A.T.フィールドがお前の形を保てなくなる。始めるぞ、レイ。A.T.フィールドを、心の壁を解き放て。欠けた心の補完。不要な体を捨て、全ての魂を今、1つに。そして、ユイの元へ行こう」

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レイ「……うっ」

 

 

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シ「アスカ……はっ、うわあああ!」

レ「碇くん」

シ「あああああ!」

 

 

戦自情報参謀「大気圏外より高速接近中の物体アリ」

支隊長「なんだと?」

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冬「いかん、ロンギヌスの槍か」

 

キ「ついに我らの願いが始まる」

幹部4「ロンギヌスの槍もオリジナルがその手に還った」

幹部9「いささか数が足りぬがやむをえまい」

一同「エヴァシリーズを本来の姿に。我ら人類に福音をもたらす真の姿に。等しき死と祈りをもって人々を真の姿に」

キ「それは魂のやすらぎでもある。では儀式を始めよう」

 

 

日「エヴァ初号機、拘引されていきます」

青「高度1万2千、さらに上昇中」

冬「ゼーレめ、初号機を依り代とするつもりか」

 

 

シ「はあ、はあ、はあ……」

 

 

キ「エヴァ初号機に聖痕が刻まれた」

一同「今こそ中心の樹の復活を」

キ「我らがしもべエヴァシリーズはみなこのときのために」

 

 

青「エヴァシリーズS2機関を解放」

日「次元測定値が反転。マイナスを示しています。観測不能! 数値化できません」

冬「アンチA.T.フィールドか」

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伊「全ての現象が15年前と酷似してる。じゃあこれってやっぱり、サードインパクトの前兆なの?」

 

 

戦闘員「S2機関臨海。これ以上はもう分子間引力では維持できません!」

支隊長「作戦は失敗だったな」

(大爆発)

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青「直撃です! 地上堆積層融解!」

日「第2波が本部周辺を掘削中! 外殻部が露呈していきます!」

冬「まだ物理的な衝撃波だ。アブソーバーを最大にすれば耐えられる」

 

 

幹部8「悠久の時を示す、赤き土の禊をもって」

幹部11「まずはジオフロントを」

キ「真の姿に」

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冬「人類の……生命の源たるリリスの卵、"黒き月"。今更その殻の中に還ることは望まぬ。だがそれも、リリス次第か」

 

 

ゲ「事が始まったようだ。さあレイ。私をユイのところへ導いてくれ……まさか」

レ「私はあなたの人形じゃない」

ゲ「あっ、なぜだ」

レ「私はあなたじゃないもの」

ゲ「レイ! 頼む、待ってくれ、レイ!」

レ「駄目、碇くんが呼んでる」

ゲ「レイ!」

レ「ただいま」

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(リリスと一体化するレイ。心臓の鼓動。動き出すリリス)

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青「ターミナルドグマより正体不明の高エネルギー体が急速接近中!」

日「A.T.フィールドを確認! 分析パターン青!」

伊「まさか、使途!?」

日「いや、違う! ヒト! 人間です!」

(第7発令所を上昇していくリリス)

伊「ひいっ、いや! いやあああ!」

 

 

シ「うう……ちくしょう、ちくしょう……」

(初号機に近づくリリス)

リリス「ああ……ああ……」

シ「綾波?」

リリス「ああ……」

シ「ひっ、うわあああ」

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委員会一同「エヴァンゲリオン初号機パイロットの欠けた自我をもって人々の補完を」

キ「三度の報いのときが今」

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青「エヴァシリーズのA.T.フィールドが共鳴!」

日「さらに増幅しています!」

冬「レイと同化を始めたか」

(変形するリリス)

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シ「ひっ、うわあああ! ああ! ああ! ああ! ああ!」

 

青「心理グラフ、シグナルダウン!」

日「デストルドーが形而化されていきます」

冬「これ以上はパイロットの自我がもたんか」

 

シ「もう嫌だ、もう嫌だ、もう嫌だ、もう嫌だ、もう嫌だ……」

カヲル「もういいのかい?」

シ「はっ、そこにいたの? カヲルくん」

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青「ソレノイドグラフ反転。自我境界が弱体化していきます」

日「A.T.フィールドもパターンレッドへ!」

冬「使徒の持つ生命の実とヒトの持つ知恵の実、その両方を手に入れたエヴァ初号機は神に等しき存在となった。そして今や命の胎芽たる生命の樹へと還元している。この先にサードインパクトの無からヒトを救う箱舟となるか、ヒトを滅ぼす悪魔となるのか。未来は碇の息子にゆだねられたな」

伊「ねえ、私たち正しいわよね」

青「分かるもんか」

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ユイ「今のレイはあなた自身の心。あなたの願いそのものなのよ」

レ「何を願うの?」

(水滴)

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(夕暮れの公園、揺れるブランコ。子どもたちの歌う"むすんでひらいて")

シ「そうだ、チェロを始めたときと同じだ。ここに来たら何かあると思ってた」

女の子1「シンジくんもやりなよ」

女の子2「頑張って完成させようよ、お城!」

幼いシンジ「うん!」

女の子1「あ! ママだ!」

女の子2「帰らなきゃ」

女の子1「じゃあねー!」

女の子たち「ママ~、ふふっ、ママ~!」

(鳴りやむ"むすんでひらいて"。カラスの鳴き声)

シ「うっ……」

(涙しながら砂の山を作るシンジ。山が完成すると蹴って壊してしまう。それからまた壊れた山を作り直すシンジ)

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ア「ああもう! あんた見てるとイライラすんのよ!」

シ「自分みたいで?」

幼いアスカ「ママ!」

ア「ママ」

シンジ「ママ……」

 

 

ミ「結局、シンジくんの母親にはなれなかったわね」

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ミ「ふふ、ねえ、しよ?」

加地(以下、加)「またか?」

ミ「うん」

加「今日は学校で友だちと会うんじゃなかったっけ」

ミ「ん~? ああ、リツコね。いいわよ、まだ時間あるし」

加「もう一週間だぞ? ここでゴロゴロし始めて」

ミ「だんだんね、コツがつかめてきたのよ。だから、ねえ?」

 

ミ「多分ね、自分がここにいることを確認するためにこういうことするの」

ア「ばっかみたい。ただ寂しい大人たちが慰めあってるだけじゃないの」

リ「身体だけでも必要とされてるものね」

ミ「自分が求められる感じがして嬉しいのよ」

ア「イージーに自分にも価値があるんだって思えるものね、それって」

シ「これが、こんなことしてるのがミサトさん?」

ミ「そうよ。これも私。お互いに溶け合う心が映し出すシンジくんの知らない私。ホントのことは結構痛みを伴うものよ。それに耐えなきゃね」

 

ア「あーあ、私も大人になったらミサトみたいなこと、するのかな~」

(ミサトの喘ぎ声)

ア「ねえ、キスしようか

ミ「駄目!」

ア「それとも怖い?」

ミ「子供のするもんじゃないわ」

ア「じゃいくわよ」

 

ア「何も分かってないくせに。私のそばに来ないで」

シ「分かってるよ」

ア「分かってないわよバカ! あんた私のこと分かってるつもりなの? 救ってやれると思ってんの! それこそ傲慢な思い上がりよ! 分かるはずないわ!」

シ「分かるはずないよ。アスカは何にも言わないもの。何も言わない何も話さないくせに分かってくれなんて、無理だよ!」

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レ「碇くんは分かろうとしたの?」

シ「分かろうとした」

ア「バーカ、知ってんのよ、あんたが私をオカズにしてること。いつもみたくやってみなさいよ。ここで見ててあげるから。あんたが全部私のものにならないなら、私、何もいらない」

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シ「だったら僕に優しくしてよ」

女性陣「優しくしてるわよ」

シ「嘘だ! 笑った顔でごまかしてるだけだ。曖昧なままにしておきたいだけなんだ」

レ「本当のことはみんなを傷付けるから。それはとてもとてもつらいから」

シ「曖昧なものはぼくを追い詰めるだけなのに」

レ「その場しのぎね」

シ「このままじゃ怖いんだ。いつまたぼくがいらなくなるのかもしれないんだ。ざわざわするんだ。落ち着かないんだ。声を聞かせてよ! ぼくの相手をしてよ! ぼくに構ってよ!」

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シ「何か役に立ちたいんだ。ずっと一緒にいたいんだ」

ア「じゃあ何もしないで。もうそばに来ないで。あんた私を傷つけるだけだもの」

シ「あ、アスカ、助けてよ。ねえアスカじゃないとダメなんだ」

ア「嘘ね」

シ「はっ」

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ア「あんた誰でもいいんでしょ。ミサトもファーストも怖いから。お父さんもお母さんも怖いから。私に逃げてるだけじゃないの」

シ「アスカ、助けてよ」

ア「それが一番楽で傷つかないもの」

シ「ねえぼくを助けてよ」

ア「ホントに他人を好きになったことないのよ! 自分しかここにいないのよ。その自分も好きだって感じたことないのよ! ……哀れね」

シ「助けてよ……ねえ誰かぼくを……お願いだからぼくを助けて。助けてよ……助けてよ……ぼくを助けてよ! 一人にしないで! ぼくを見捨てないで! ぼくを殺さないで!」

ア「嫌」

(アスカの首を絞めるシンジ)

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シ「誰も分かってくれないんだ」

レ「何も分かっていなかったのね」

シ「嫌なことは何にもない。揺らぎのない世界だと思っていたのに」

レ「他人も自分と同じだと一人で思い込んでいたのね」

シ「裏切ったな、ぼくの気持ちを裏切ったんだ!」

レ「初めから自分の勘違い。勝手な思い込みにすぎないのに」

シ「みんなぼくをいらないんだ。だからみんな死んじゃえ」

レ「ではその手は何のためにあるの?」

シ「ぼくがいてもいなくても誰も同じなんだ。何も変わらない。だからみんな死んじゃえ」

レ「では、その心はなんのためにあるの?」

シ「むしろいない方がいいんだ。だからぼくも死んじゃえ」

レ「ではなぜここにいるの?」

シ「ここにいてもいいの?」

(無言)

シ「うわあああああ!」

 

 

日「パイロットの反応が限りなく0に近づいていきます」

青「エヴァシリーズおよびジオフロント、E層を通過。なおも上昇中。」

電子音声「現在、高度22万キロ。F層に突入」

日「エヴァ全機、健在!」

青「リリスよりのアンチA.T.フィールド、さらに拡大、物質化されます」

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日「アンチA.T.フィールド臨界点を突破!」

青「駄目です! このままでは個体生命の形を維持できません!」

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冬「ガフの部屋が開く。世界の始まりと終局の扉がついに開いてしまうか」

 

レ「世界が悲しみに満ち満ちていく。空しさが人々を包み込んでいく。孤独が人の心を埋めていくのね」

(LCLになって消える日向と青葉)

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冬「碇、お前もユイ君に会えたのか」

伊「みんなのA.T.フィールドが消えていく。これが答えなの? 私が求めていた」

リ「ふふふ」

伊「先輩!」

リ「マヤ」

伊「先輩、先輩、先輩、先輩! あ」

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キ「始まりと終わりは同じところにある。良い、全てはこれで良い」

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ゲ「この時を、ただひたすら待ち続けていた。ようやく会えたな、ユイ。俺がそばによるとシンジを傷つけるだけだ。だから、何もしないほうが良い」

ユイ「シンジが怖かったのね」

ゲ「自分が人から愛されるとは信じられない。私にそんな資格はない」

カヲル「ただ逃げてるだけなんだ。自分が傷つく前に世界を拒絶している」

ユイ「人の間にある形もなく目にも見えないものが」

レ「怖くて心を閉じるしかなかったのね」

ゲ「その報いがこのありさまか。すまなかったな、シンジ」

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(自分に槍を刺すエヴァシリーズ)(水滴)

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(リリスの中に入る初号機)

(頬を叩く音。雑多な映像が無秩序に流れていく。心無い言葉の連続)

 

ア「意気地なし」

ミ「そんなに辛かったらもうやめてもいいのよ」

レ「そんなに嫌だったらもう逃げだしてもいいのよ」

ミ「楽になりたいんでしょ。安らぎを得たいんでしょ。私と一つになりたいんでしょ。心も体も一つに重ねたいんでしょ」

 

ア「でも、あなたとだけは絶対に死んでも嫌!」

 

 

シ「ねえ」

ミ「なに?」

シ「夢って何かな」

ア「夢?」

レ「そう、夢」

 

テロップ「気持ち、いいの?」

 

シ「分からない。現実がよくわからないんだ」

レ「他人の現実と自分の真実との溝が正確に把握できないのね」

シ「幸せがどこにあるのかわからないんだ」

レ「夢の中にしか幸せを見出せないのね」

シ「だからこれは現実じゃない。誰もいない世界だ」

レ「そう、夢」

シ「だからここにはぼくがいない」

レ「都合のいい作り事で現実の復讐をしていたのね」

シ「いけないのか」

レ「虚構に逃げて真実をごまかしていたのね」

シ「僕一人の夢を見ちゃいけないのか」

レ「それは夢じゃない。ただの現実の埋め合わせよ」

シ「じゃあ、ぼくの夢はどこ」

レ「それは、現実の続き」

シ「ぼくの現実はどこ」

レ「それは夢の終わりよ」

 

 (リリスの首から血が噴き出す)

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シ「ああ……綾波、ここは?」

レ「ここはLCLの海。生命の源の海の中。A.T.フィールドを失った自分の形を失った世界。どこからが自分でどこからが他人か分からない曖昧な世界。どこまでも自分でどこにも自分がいなくなっている脆弱な世界」

シ「ぼくは死んだの?」

レ「いいえ、全てが一つになっているだけ。これがあなたの望んだ世界そのものよ」

シ「でもこれは違う。違うと思う」

レ「他人の存在を今一度望めば再び心の壁が全ての人々を引き離すわ。また他人の恐怖が始まるのよ」

シ「いいんだ。ありがとう」

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シ「あそこでは嫌なことしかなかった気がする。だからきっと逃げ出してもよかったんだ。でも逃げたところにも良いことはなかった。だってぼくがいないもの。誰もいないのと同じだもの」

カヲル「再びA.T.フィールドが君や他人を傷つけてもいいのかい?」

シ「構わない」

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シ「でもぼくの心の中にいる君たちは何」

レ「希望なのよ。ヒトは互いに分かり合えるかもしれない……ということの」

カヲル「好きだという言葉と共にね」

シ「だけどそれは見せかけなんだ。自分勝手な思い込みなんだ。祈りみたいなものなんだ。ずっと続くはずないんだ。いつかは裏切られるんだ。ぼくを見捨てるんだ。でもぼくはもう一度会いたいと思った。その時の気持ちは本当だと思うから」

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(崩壊するリリスの身体)

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カヲル「現実は知らないところに。夢は現実の中に」

レ「そして真実は心の中にある」

カヲル「ヒトの心が自分自身の形を作り出しているからね」

レ「そして新たなイメージがその人の心も形も変えていくわ。イメージが、想像する力が、自分たちの未来を、時の流れを、作り出しているもの」

カヲル「ただヒトは自分自身の意思で動かなければ何も変わらない。だから見失った自分は自分の力で取り戻すのよ。たとえ自分の言葉を失っても。他人の言葉に取り込まれても」

レ「自らの心で自分自身をイメージできれば誰もがヒトの形に戻れるわ」

 

ユイ「心配ないわよ。すべての生命には復元しようとする力がある。生きていこうとする心がある。生きていこうとさえ思えばどこだって天国になるわ。だって生きているんですもの。幸せになるチャンスはどこにでもあるわ。太陽と月と地球がある限り。大丈夫」

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(水滴)

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ユイ「もういいのね?」

シ「幸せがどこにあるのかまだわからない。だけどここにいて、生まれてきてどうだったのかこれからも考え続ける。だけどそれも当たり前のことに何度も気づくだけなんだ。自分が自分でいるために。でも母さんは。母さんはどうするの」

 

冬「ヒトが神に似せてエヴァを作る。これが真の目的かね?」

ユイ「はい。ヒトはこの星でしか生きられません。でもエヴァは無限に生きていられます。その中に宿るヒトの心と共に。たとえ50億年たって、この地球も、月も、太陽すらなくしても残りますわ。たった一人でも生きていけたら。とてもさみしいけど、生きていけたら」

冬「ヒトの生きた証は永遠に残るか」

シ「さよなら、母さん」

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エヴァ旧劇考察もやってます!

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